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12月。今年もあともう少し。最近親と話していてよく思うことがある。母は30年前の価値観の中で生きていて、これからもそこで生きていくのだということ。どんな時もわたしを支えてくれて、見守ってくれる母にも、彼女だけの世界がある。面白いもので、話題によっては、まるで30年前から時間が止まっているような感覚になる。誰もがそれぞれの世界の中で生きていて、どの世界も個性があり、見えている世界も違う。みんな違って当たり前で、だからこそ知りたいという思いが芽生える。日々の出会いを大切にして、そこから生まれる関係がどのように発展していくのかをひも解いていくことはこの上なく楽しい。来週も無理せずにゆっくりと過ごそう。

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数えきれないドアが目の前にある。ドアの前で立ち止まっている人もいれば、一定の速度で歩いている人もいる。ドアを開けると、また1つのドアが現れる。1つのドア(選択)は、その先にあるドア(選択)への入り口。生きることは、選択することなのかもしれない。いくつものドアを開いていく中で、様々な人間関係が生まれる。ドアの先にある世界はドアを開けた者にしかわからない。未知への恐怖が消えることはなくて、ドアを開くたびに言葉にならない不安が押し寄せる。だけどいつも次のドアの先には何があるのだろう?と好奇心に駆られる自分がいる。人生は永遠に個人走だと思っていて、目の前に見える無数のドアを開けるか、開けないかで、日々悩み、葛藤する。横を見れば、1つのドアの前で座っている人もいれば、ものすごい速さで走っている人もいる。人を眺めながらじっと考えるのも悪くないけど、一番大事なのは自分がどのドアを閉めて、開けたいかであり、周りがどのドアを閉めて、開けているかではない。

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11月後半。ジムを始めた。なぜか行かなければという衝動に駆られて気づいたら受付カウンターの前。目の前に大きな変化が迫っている時の感覚はすごく怖いもので、何が起きるかはわからないのだけど、時の流れとともにそれが迫って来ていることを感じる。変化が嫌いなくせに、変化を欲しがるこの性格が自分でも嫌になるわ。本当は嫌いではなくて、人生の軸のように変化という文字がドカンと陣取っているくらい好きなんだろうな。変化しないとつまらないじゃないか、という自分と、もういい加減安心したいという自分が日々入れ替わっているような感じ。結果、わたしのこれまでの人生は変化ばかりで、それらの変化の中でひたすらもがいている自分と、それを楽しんでいる自分がいる。落ち着いているように見えるだけで、内面では常に葛藤している。今もまさにその変化の真っ只中にいて、目の前のことをこなすのが精一杯。毎晩きちんと眠れていることが唯一の救い。