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家から駅に向かう道ですれ違う人たち。その短い距離の中でも出会う表情は様々で興味深い。 頭が急いでいると、体も急ぐ。こうしなきゃ、こうでなければならない、しなければいけない、と動くことばかりにとらわれて、止まろうとするたびに不安が襲ってくる。それだけ動くことに慣れているのだろうね。〜しなきゃいけないという考えが活性化されるのは、自分を周りと比べた時だと思う。比べることが当たり前な社会で育つと、自分が何をしたいかより周りが何をしているかを見ては、それらを真似ることで、自らの健全さを保つ傾向にあるように思う。比べすぎることによって、ある基準に満たないと自分を卑下したり、貶す方向にいくこともある。何事もほどほどが一番だね。周りと比べては落ち込んで、なんてクソな人間なんだと思ってた時期があった。その頃は無いものばかり、持っていないものばかりに目がいって、いつも”足りない”って思ってた。その”足りない”気持ちで心が埋め尽くされると、それらを消そうと必死になって、いつもより多く食べたり、普段は買わない雑貨とか本を買ってた。そういう時は何をやっても上手くいかなくて、やることなすことすべてが裏目に出るのよね。底でしか見れない景色があるから、決して無駄ではなかったけど、暗かったなぁ。そういえばこの前、数年ぶりに心が動く出来事があった。短い時間だったけどとてもいい経験だった。普段なら会うことのない人に会えて、話せて、気持ちを共有できたことがとても嬉しかった。心で話すってこういうことだよなぁって思った。どんなに短い時間でも、繋がる人とは繋がるんだなぁって。お互いの目を見て、気持ちを伝え合うって素敵だね。心から水があふれて、今も流れ続けてる。こういうの好き。