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出会いも別れもないのかもしれない。横断歩道でこちら側に歩いてくる人、逆の方向に歩いていくわたし。お互いの姿を認識しながら遠ざかっていく。ふと振り返るとわたしも相手もお互いを見ている、まるで時が止まったかのように視線が交わる。微笑んで手を振る。そして再び別々の方向へ歩き出す。毎日様々な人たちの姿を認識しながらも、自らの足を止めること無く歩き続ける。隣の道を同じ速さで歩く人もいれば、突き当たりで別の方向へ曲がってしまっていつのまにか姿が見えなくなる人もいる。ついさっきまで話していたのに。目の前に現れる人たちや今目の前にいる人たちが明日もいるとは限らない。そう考えるとその瞬間、瞬間を大切にしようと思える。人も水と同じように流れては、循環しているから。