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何かを買うことは、いつかそれらを失うことを承諾しているのかもなんて。生きていると、どうしようもなく心がもやもやしたり、心の空白を埋めたくなる時がある。それらは日々の塵が積もって、どうにかして、と訴えているからかもしれない。まるでその空白を埋めることが当たり前のように、埋めるための商品が棚に並んで売られている。埋めることに必死になり、埋まったと思ったら、新しい空白ができる。なぜ空白ができるのかを理解せぬまま、埋めることに必死になる。そして気づくと消費の渦に巻き込まれている。でも埋めなくてもいいし、埋める必要もない。埋めなきゃいけないと思わされているだけだったりする。